· 

続けること

横尾 典昭(平成15年卒)

p82

 先般行われた90周年記念行事に参加させていただきました。人工芝のグラウンド、建て替えられた綺麗な部室(部室の中身はどうかわかりませんが。。。)を拝見させていただいたときは隔世の感がありましたが、久々にお会いした先輩方や苦楽を共にしたメンバーには大きな変わりがなく久々に学生に戻った気分になりました。

 記念行事の一環としてOB戦が行われましたが、古澤先生のプレーに大変感銘を受けました。相応にお年を召されているにも関わらず走るスピードも、運動量もあり、もしかしたら運動不足な若手OBより動きがよかったのではないでしょうか。卒業から10年以上経過した今でも定期的にホッケーに触れている立場として生涯にわたりホッケーを楽しみ、プレーの質を高める努力をされている古澤先生のようにありたい、と思わずにいられませんでした。

 私が大学時代に熱心にホッケーに打ち込んだ時期は4年半。貴重な大学時代に熱心に打ち込んだものであるため「たくさんホッケーやった」印象はありますが、大学卒業以降のホッケーキャリアの方が圧倒的に長くなってきました。ホッケーを続けるにあたり私が心がけていることを徒然なるままに書いてみようと思います。

 

①今の自分にできること、できないことを正しく理解する

 社会人になると、その限られた時間の中で効率的にホッケースキルの向上(場合によっては低下速度を抑える)を行う必要があります。ホッケーに割ける時間は大幅に減り、年とともに身体能力が低下していくため、(学生時代の感覚等に頼って)今の自分にできないプレーを行えば、チームの勝利にも貢献できないですし、怪我もします。

②試合のなかで実際にボールに触れる時間は数分であり、ボールに触れていない時間帯の動きが重要であることを理解する

③可能な限り最上級のプレーを見る、プレーに触れる

 ボールに触れるまでに、以後のプレー展開の選択肢をあらかじめ整理し、それを実現させるために適切なポジショニングや体勢の準備を行う必要があります。実際のところ、試合時間の大半はその作業の繰り返しであり、プレー選択のアイディアを効率的に増やすことが、ボールに触れていない時間帯の動きの質を高める効果的な方法と個人的に考えております。それらは、(全体で行う戦術確認等を除く)定期的に行っている練習からよりはむしろオリンピックや日本選手権等の質の高い試合から得られることが多いのではないかと思います。

 

 現在のホッケー部はメンバーも増え、それにより競争が生まれ相応の成績も残す、良い循環に乗った充実期にあると認識しております。ただ、そのことは公式戦でなかなかプレーできないメンバーも相応に発生することを意味しており、中にはその状況を苦しく感じているメンバーもいるのではと考えております。

 そのような立場にある皆様にむけて、かつて同じような体験をした立場として最後一言。貴重な大学時代に打ち込んだスポーツですから生涯楽しみたいですよね。京都大学ホッケー部でのホッケー人生は高々4年であり、ホッケーを続けるのであれば卒業後のキャリアの方が圧倒的に長いです。仮に試合に出られない状況でもホッケーを楽しむ気持ちだけは忘れずにプレーしてください。自分のプレースタイルや実力にあったチームを見つけることは可能で、充実したホッケーライフを楽しむことは可能なので。