髙橋 隆一(昭和63年卒)
p77
8月 卒業以来はじめて現役チームの公式戦(東大戦)を観戦しました。危なげない戦いぶりで、3対0で東大を撃破!一部昇格を十分狙えるレベルとは聞いていましたが、我々の時代とは比べものにならない部員数・次々と選手交代を行なってもレベルが変わらない選手層の厚さに感心させられました。また9月には90周年記念で久々に京都を訪れ、OB戦にも(怪我しない程度に)参加しました。新設された女子部とも対戦し、(昨年末の関東OB戦で中坪キャプテンの男子顔負けのプレーを拝見し予想はしていましたが)全員の真剣さが感じられる堂々たるプレーぶりでした。記念式典も大盛会となり、近年の男女現役部員の頑張りと関西地区で直接指導・支援をいただいているOB会役員はじめ関係各位のご尽力に、この場を借り改めて敬意を表します。
さて、自分の現役時代について少々書かせて頂きます。一回生の春季二部リーグで先輩方が一部昇格を果たされた光景からホッケーライフがスタート。公式戦デビューした二回生春季二部リーグでは自身の不甲斐ないプレーぶりもあってあわや三部降格の危機に瀕し、その後V字回復で秋には一部再昇格・インカレ8強進出。三回生では杉浦先生率いる天理大学に毎度二桁得点を献上しながらも一部所属を堅持し、創部60周年ホームの七大戦で優勝。四回生春季リーグでは当時最高の一部6位(8チーム中)を果たし、しかし最後の秋季リーグでは無念の二部降格と、個性的で優れたチームメイトにも恵まれ楽しく波乱に満ちたホッケーライフでした。
思い出に残るプレーはいろいろあるのですが、あえてここでは最も悔いの残るプレーについて触れたいと思います。四回生の春季リーグ初戦の強豪立命館戦、入部希望の見学者も多く気合を入れて臨んだ一戦でした。その日が公式戦デビューとなる二回生が半分を占める陣容でしたが序盤エース原田の鮮やかなループシュートで先制点をあげ、その後二回生諸氏の奮闘もあり、前半を1-0で折り返しました。後半も粘り強く守り続け、いよいよ大金星がちらついてきたその時です。敵陣から転がる何でもないクリアーボールでした。その日私はCHでしたが、ついつい「しんどいししイージーやしCBに任せて大丈夫やろう」とバックアップへ戻るのを怠ってしまいました。結果CBのトラップがやや大きくなる癖があるのを狙っていた敵FWにボールを奪われ同点ゴールを許してしまい、その後PCから立て続けに2点目を許し試合は敗れました。あの瞬間自分は敵FWが狙っている雰囲気を何となく感じており、自分がすぐに戻っていれば絶対に追いついてクリアーできたタイミングでしたし、あそこが凌げていれば勝てた試合でした。強豪相手の力負けは珍しくもなく諦めもつくのですが、このプレーは「感じていながらやれたはずのことをやらずにチャンスを逃した」たいへん悔しい思い出となりました。もし今ワンプレーだけやり直すことができるなら、この時に戻り自陣へ全力ダッシュしたいと思います。
スポーツはどれだけ努力しても完璧にはできないものでありますが、現役の皆さんにおかれては、後悔の数が一つでも少なくなるよう、練習でも試合でも「やれることはしっかりとやり」最善を尽くして下さい。そして一つでも上のステージを経験し、良い思い出を残して下さい。
私もOBの一人として微力ながら応援させていただきます。
京大ホッケー部が次の100周年に向け益々発展することを心より祈念しております。