慶應大学ホッケー部OG
阿曽沼路加(平成26年卒)
p47
京都大学ホッケー部、創立90周年本当におめでとうございます。このような節目の年に立ち会うことができ、非常に光栄です。
私は2年前の5月、社会人1年目として京都に住み始めました。友達も知り合いもおらず、右も左もわからない新生活の中、京都大学ホッケー部でホッケーをすることで、自分の居場所を見つけられたような気がし、練習に行ける週末をとても楽しみにしていたことを覚えています。女子部が本格的に始動した年に京都に着任できたことも、何かの縁かなと思えました。部外者の私を受け入れてくれた学生の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
その時まだ6人しかいなかった女子部が、短い期間でここまで一つの組織として成長したことは、部員の皆の努力でしかありません。大学体育会の部活動を一から作りあげる。とても大変なことです。ある程度歴史があり、その上で代のカラーを出していく、というような通常のチーム運営だけをしていては、活動が回っていきません。しかし、逆に何かを決め、実行したことがそのまま全てが京大女子ホッケー部の土台になり、歴史になる。こんなに面白いこともないと思います。6人制の大会に、唯一の交代要員の7人目として一緒に出場させてもらったこともありましたが、1年経たないうちに11人制の大会に出場した時、そして公式戦で初めて勝利した時は、感動で胸がいっぱいになりました。同時にこれからの可能性も感じ、楽しみな気持ちになったことも覚えています。
最近は毎週参加できているわけでもないのに、行けば私のあーだこーだ言うアドバイスを真剣に聞いてくれ、新しい後輩ができたようで、かわいくて仕方ありません。京都にいる限り、今いる部員の皆が、そしてこれから入部を決め大学生活をホッケーに捧げる子たちが、少しでも“京大ホッケー部に入ってよかったな”と思えるお手伝いができたらと。ふとした時に相談しやすく、一緒に練習したら何か刺激になる、そんな存在であれたらと思っています。
最後に、私自身は大した経験はありませんが、真剣にホッケーをしていた人間として。体育会を名乗る以上、何よりも大切なのは結果だと思っています。お世話になった人達のため、歴史を残すため、もちろんそれもあると思いますが、何より自分達のためです。9割が苦しい・辛い体育会生活の中でも、残りの1割の喜びは勝利に起因することに他ならず、その時の感情は一生、自分の中でかけがえのないものになります。
掲げた目標、夢は逃げません。大学生活をホッケーに捧げると決めたのならば、そこに向かって逃げることなく、目の前の一瞬に全力で向き合ってほしいです。
末筆ながら、京都大学ホッケー部のますますの発展を祈念しております。