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90周年祝賀会 ドリンク担当 奮戦記

白井 聡(昭和56年卒)

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 「えっ、焼酎の瓶にヒビが入って漏れてるぅ?」ずーっとケチがついていた。祝賀会当日朝、齊木君が車を出してくれ、我が家にストックした酒類を積込み、時計台「ラ トゥール」へ。ところが焼酎を1本間違えて持って来ていた。「飲料リスト、今から変えられへんし、う~っ。せや、後から来る息子に持って来てもらおう。」事なきを得たかに思えたが、農Gに届いた一升瓶を再び時計台に移動する際、齊木君がやさしく、ぶつけた。

 頼まれもしないのにドリンクを仕切ったのは、私がサントリーに勤める酒好きのお人好しだったから。飲み放題@1,620円の内訳は瓶ビール、赤・白ワインとソフトドリンク。バリエーションが無いし、瓶ビールは1本650円だから、ご高齢の方が多く未成年も30名近くいる会合では絶対に元が取れまへん。

 祝賀会の参加予想人数は160名で置いた。瓶ビールは120本前後必要になる。「ザ・モルツ中瓶を買い取りで100本用意してください。超えた分は通常在庫のキリンビールで対応願います。あと、ワイン・日本酒・焼酎・ウイスキーを持ち込みます。」

 持込み料は安くはなかったが(720ml:@2,160円、一升瓶:@5,400円)、トータルで計算すると9万円近く浮く試算となる(その代わり私の手間は増えますが…)。ただ、全体の必要本数計算が結構難しい。

 ウイスキーは山崎2本、白州1本、ローヤル3本ですぐに決まった。食べ物のメニューイメージを見ると、さすがにフレンチレストラン。洋のウェートが圧倒的に高いため、ワインは8本。赤は個人用に買っておいた2008年のボルドー1本、2007年のブルゴーニュ1本、アルゼンチンのマルベック3本をお安く譲渡。白ワインはあまりストックが無いため、フレッシュなプーリア(イタリア)2本とタイプが異なるかすかに樽香のあるアルゼンチンのシャルドネ1本を購入した。

 さて、冒頭の焼酎は毎年2月にしか発売されない「さつまおはら」の限定品。油分が浮いてやや白濁しているが、キレが良く芳醇な逸品で、1本は決まり。もう1本テイストの違うものを、と考えていたら吉田羊が酒場放浪にいつも持ち歩いているそば焼酎「雲海」を思い出した。久々に試飲してみたら、清らかさを感じ、料理の邪魔をしない良品だった。OK!

 残念だったのは日本酒。私の生まれ故郷山口県には全国的に有名な「獺祭」があるが、ちょっと米を削り過ぎ。濃い味つけのブッフェスタイル料理にはまず負けてしまう。そこで私の好きな「雁木」の出番。本当はしっかり味がのった「純米 無濾過生原酒」を飲んでいただきたかったのだが、なにぶん我が家の冷蔵庫には一升瓶を収納する空きスペースが無い(その代わり4合瓶が2本冷えていますが…)泣く泣く加水、一回火入、の純米酒を持ち帰った。

 瓶が割れた「さつまおはら」は現役にコーヒーのペーパーフィルターを急ぎ買って来てもらい、ガラス片が入らないよう茶漉しに置いて濾過し、デキャンタで提供した。

 170名が参加した宴が始まり、いいペースで食べ物、飲み物がさばけていく。開栓しないウイスキーが出たら持込み料を返してもらおうか、なんて思っていたら、そこはさすがに体育会。2時間半の最後30分はアルコールが無くならないか、いつ買いに走らせようか、とヤキモキし通しだったが、ギリギリセーフで計算通り。(ちなみに瓶ビールは108本。これって煩悩?)

 でも、割れた焼酎を再生させてなかったら、と思うと冷や汗ものでした。こんな私ではございますが、ホッケー部諸兄妹からのお酒に関するご相談は、いつでも無料でお引き受けいたしますよ。

[(一社)日本ソムリエ協会認定「ワインアドバイザー」、サントリースピリッツ㈱認定「ウイスキーアンバサダー」を持つ猩猩蝿でした]