【 参考文献 】
- 「七帝戦の歴史(1、2)」OB会誌原稿、須谷顧問、平成29年度
- 「ホッケー十年史」京都帝國大學 學友會ホッケー部、昭和十年
- 「三十年史」京都大学ホッケー部、昭和三十四年
- 「四回の七帝戦」創部80周年記念PV、小山武夫、平成18年
- 『MyHockey』七大学大会(オープン競技)、2013~2016
- 『京大ホッケー部、HP(旧)』戦績/1999~2013 サービス終了
- 「北海道大学ホッケー部五十年史」昭和52年
- 「杖球友」ホッケー部80周年記念写真集、平成19年
- 「東大会報」東京大学 学士ホッケークラブ 広報担当 赤木勝正(S47卒)より
【 更新履歴 】
- 2023/9~ 東大資料で加筆。赤木勝正さんから資料提供
- 2023/4/13 🔍閲覧サイトにコピー
- 2019/1/13 大補筆、1935年~1976年、←「北大五十年史」「杖球友」
- 2018/12/27 修正、1976(北海道)、追加、2018(北海道野幌)
- 2018/8/30 齋藤北大部長より「北大五十年史」「杖球友」
- 2018/2/9 須谷顧問「七帝戦の歴史(1、2)」がベース
歴史をもとめて 第二回 ーー 七帝戦
所澤 潤(昭五十三卒)
p7
今回は七帝戦をとりあげる。本大会は昭和十年の第一回以来、戦争による中断をはさんではいるが、毎年一回戦総当たりのリーグ戦を行っており、今年で通算三十八回、昭和三十七年から始まった旧七帝大の体育会による七大学総合体育体会の一部門としても既に二十回を数えるに至っている。順位の決定に得失点差をつかっている年いない年、優勝決定戦を行っている年同勝点優勝をみとめている年、延長戦のある年ない年と、大会方式のこまかいところは一定していない。こうした点についてすべてを把握できてはいないので、以下のように順位表のみをまとめるにとどめた。
『東大会報18号』
(赤木勝正さん)より
七帝戦の歴史(1)
顧問 須谷久俊(S35年卒)
昨年の秋リーグ戦の応援に行ったとき、井川秀一理事(S45年卒)から「七帝戦の歴史をまとめてくれませんか」と頼まれ、真夏に行われる七帝戦には、私自身も含め全ての年代の人の思い入れが強いので快諾しました。
いざ取り組んでみると、第1回は私が生まれる前の昭和10年(1935)に始まったことが分かり、古い部誌から毎年の戦績を拾い出すのは大仕事でした。年末年始が忙しく、風邪を引いたこともあり、1989年(平成元年)までまとめたところで時間切れとなりましたので、1990年以降の歴史は来年の部誌に回すこととします。
1935年に行われた第1回七帝戦は北大、東大、京大、九大の4大学の参加でした。京大は、対北大4-1、対東大2-2、対九大11-0の成績で東大とともに2大学優勝となり、翌年は全勝優勝しております。
七帝戦というのは旧制七帝国大学の対抗戦ですが、東北大学だけはホッケー部がなく、名古屋大学は長い間中断し、九州大学も最近は参加しておらず、七帝大が揃ったことはありません。鹿児島大学や熊本大学が参加していた時代もありますが、最近は活動していません。
1976年から10年間は和歌山大学も参加して8大学で運営した時期もあります。2004年から新潟大学が参加し6大学で行われています。
太平洋戦争が始まった1941年から戦後の混乱期は開催されず、1952年に本格的に再開したようです。その間も、東大との対戦はなんとか続けていたようです。
京大が優勝した回数は意外に少なく、1935,36,60,64,65,70,71,74,86年の9回に止まっています。他大学の記録がないので不正確ですが、やはり東大の優勝回数が多いと思われます。
記録が散逸した年もあり不完全ですが、年代別の戦績をまとめました。
1935~1939 9勝2敗1分け 勝率75% 優勝2回
1940~1949 8勝3敗 勝率72.7%
1950~1959 20勝13敗1分け 勝率58.8%
1960~1969 23勝11敗3分け 勝率62.2% 優勝3回
1970~1979 30勝14敗12分け 勝率53.6% 優勝3回
1980~1989 19勝33敗11分け 勝率30.2% 優勝1回
通算 109勝76敗28分け 勝率51.2%
80年代は戦力が低下したことが読み取れますが、2000年頃から着実に回復しているので、次回の報告を楽しみにして下さい。
最近の学生ホッケーはスピード、テクニック、戦略が確実に向上していることに加えて、私立大学が優秀な経験者を集中的に入学させるため、国公立大学が対等に戦うことが難しくなっていますが、同じ境遇にある大学間の七帝戦では優勝回数をもっと増やして常勝チームになることは可能です。ぜひ意識して挑戦して頂きたい。
最後に特記事項として、2016年から女子七帝戦が始まり、北大、新潟大、東大、京大の4チームで争っています。2017年には京大女子チームが全勝優勝を果たしました。
男子も女子も強豪チームと言われるように頑張って頂くことを期待します。
以上
京都大学ホッケー部OB会誌
2017年度より
順 位 表
所澤 潤(昭五十三卒)
p8
一回@東大 s10/9/6~8 東大・京大 ー 北大 九大
二回@京大 s11/9/6~9 京大 東大 北大 九大
三回@東大 s12/9/3~6 東大 京大 北大 九大
四回@京大 s13/9/4~6 東大 京大 九大
五回@東大 s14/9/3~7 東大 京大 九大 北大 名大
六回@京大 s15/9/3~7 東大 京大 九大 北大・名大
七回@東大 s25/11/3~4 東大 京大・北大 ー
八回@北大 s26/7/18~20 北大 東大 京大 ー
九回@京大 s27/7/11~15 東大 京大 北大 鹿大 九大
十回@東大 s28/7/15~19 東大 京大 ー ー 北大
11回@京大 s29/7/28~8/1 東大 京大・九大 ー 北大 阪大 鹿大
12回@東大 s30/7/27~31 九大 東大 北大 阪大 鹿大 京大
13回@北大 s31/7/25~29 東大 鹿大 阪大 京大 北大 九大
14回@九大 s32/7/17~21 東大 阪大 京大・九大 ー 鹿大 北大
15回@京大 s33/8/6~10 東大 京大 九大 阪大 鹿大 北大
16回@東大 s34/8/5~9 東大 京大 阪大 鹿大 九大 北大
17回@北大 s35/8/6~10 京大 東大 九大 鹿大 阪大 北大
18回@九大 s36/7/26~30 東大 阪大 京大 北大 鹿大 九大
19回@北大 s37/7/31~8/4 阪大 東大 九大 京大 北大 鹿大
20回@九大 s38/7/28~8/1 東大 阪大 京大 九大 鹿大 北大
21回@京大 s39/7/25~29 京大 阪大 東大 九大 鹿大 北大
22回@阪大 s40/7/25~29 京大 阪大 東大 九大 北大 鹿大
23回@東大 s41/7/20~24 九大 東大 阪大 北大 京大 鹿大
24回@鹿大 s42/7/26~30 東大 阪大 九大 北大 京大 鹿大
25回@京大 s43/7/21~25 九大 京大 北大 東大・鹿大 ー 阪大
26回@北大 s44/7/20~24 京大・東大 ー 九大 阪大 鹿大 北大
27回@九大 s45/7/27~31 京大・東大・阪大 ー ー 九大 北大 鹿大
28回@阪大 s46/7/25~31 京大 東大 鹿大 九大 阪大 北大
29回@京大 s47/7/20~26 九大 京大 熊大 北大 熊大 東大 鹿大
30回@北大 s48/7/25~31 阪大 九大 東大 京大 北大 熊大 阪大(?)
31回@東大 s49/7/19~24 京大 東大 北大 阪大 鹿大 九大 熊大
32回@鹿大 s50/7/24~30 北大 阪大 熊大 鹿大 九大 京大 東大
33回@北大 s51/7/23~30 九大 阪大 鹿大 熊大 京大 東大 北大 和大
34回@阪大 s52/7/20~27 阪大 熊大 北大 京大 九大 鹿大 和大 東大
35回@九大 s53/7/20~27 阪大 九大 熊大 北大 鹿大 和大 京大 東大
36回@京大 s54/7/18~25 熊大 和大 京大 阪大 九大 北大 東大 鹿大
37回@熊大 s55/7/20~27 和大 熊大 阪大 東大 鹿大 九大 北大 京大
38回@東大 s56/7/19~26 阪大 東大 九大 和大 北大 熊大 京大 鹿大
七帝戦の歴史(2)
顧問 須谷久俊(S35年卒)
昨年のOB会誌に「七帝戦の歴史(1)」と題して、第1回の1935年から1989年までの戦績を10年きざみで紹介しました。その後、2018年までの戦績が整理できたので、全部を通して下記のとおり紹介します。
記録が散逸した年もあり不完全ですが、年代別の戦績は次の通りです。
1935~1939 9勝2敗1分け 勝率75% 優勝2回
1940~1949 8勝3敗 勝率72.7%
1950~1959 20勝13敗1分け 勝率58.8%
1960~1969 23勝11敗3分け 勝率62.2% 優勝3回
1970~1979 30勝14敗12分け 勝率53.6% 優勝3回
1980~1989 19勝33敗11分け 勝率30.2% 優勝1回
1990~1999 12勝33敗5分け 勝率24.0%
2000~2009 15勝23敗6分け 勝率34.0%
2010~2018 23勝8敗11分け 勝率54.8% 優勝1回
通算 156勝140敗50分け 勝率45.1%
京大の優勝回数は意外に少なく、1935,36,60,64,65,70,71,74,86、2013年の10回に止まっています。有力な私立大学と異なり、優秀な経験者を集めることができないという共通の問題を抱える国立大学間でのリーグ戦ですから、もっと意識を高めて勝負にこだわってほしいと思います。引き分けは避けられないと言っても、勝率を70%に近づけることは可能だと思います。5試合あるとして、3-4勝はしてほしいものです。
10年きざみで勝率を並べると、チーム力の盛衰の姿を如実に表わしていると思います。1990年代の後半はメンバー不足で休部または廃部の危機に直面し、97年の七帝戦は不参加となりました。従って、リーグ戦でも勝てない試合が続きました。
私は2000年春からOB会長を承りましたが、当時は関西リーグの4部の下位に低迷しており、関西での実質順位は22位くらいでしたが、全試合に応援に行き激励を続けたことに応えてくれて、2000年春リーグは4部1位となり3部昇格、秋リーグで3部1位となり2部昇格と1年間で12位まで順位を上げる快挙を成し遂げてくれました。
その勢いが現在まで受け継がれて、1部の下位と2部の上位を行き来することとなり、関西での実質順位は8-10位の間でしょう。
2017年春に1部復帰してから、3季続けて入替え戦を制し1部に残留したが、昨年秋に残念ながら阪大との入替え戦に敗れ2部降格となりました。2部の上位は実力伯仲しているが、安住することなく出来るだけ早く1部復帰を果たしほしいと思います。同大、京産大、関西大など数年前まで1部の常連だったが、現状は2部に定着しているので、京大も相当頑張ってチーム力を向上し戦意を高める必要があると思います。競争の厳しい関東リーグで東大が1部の座を守り続けていることも励みにして下さい。
次に女子部ですが、女子の七帝戦が2016年から始まりました。女子チームがあるのは、北大・新大・東大・京大の4大学であり、これは現在も変わっておりません。
第1回は親善試合として「順位付けをしない」条件でしたが、北大が3勝0敗、京大が2勝1敗で実質2位でした。
2017年は京大が主管校となり、グリーンランドみずほを会場に女子単独で開催し、前年に敗れた北大を圧倒して全勝優勝。2018年も全勝優勝ですが、北大・東大とのチーム力は伯仲しており今後は予断を許しません。
関西学生リーグの女子部は9大学が1部として二つのプールに分かれて戦いますが、天理大・立命大などの強豪との試合は過酷な思いがします。実質的には下位の4大学の中で何勝するかが重要です。私は機会があるごとに「順位決定戦も含めて2勝して欲しい」(3勝でも構わないが・・)と伝えていますがあと一歩だと言うのが実感です。どうにか8位の地位にいますが、6・7位を目標にしてほしいものです。
女性の社会的地位の向上が話題になって久しいが、将来社会で活躍する京大の女子がホッケーというチームプレーを経験することは大きな意義のあることだと信じています。25名程度のチームだが、社会の縮図です。いかにして連携を取るか、全員で一つの目標を達成するかを体験して下さい。チームプレーで築いた人間関係が生涯の財産になれば幸いです。
最後に、女子部には木下明子さんという得がたい指導者がコーチとして献身的に指導してくださっているので、この有り難い環境を十分に活かして頑張って下さい。
京大ホッケー部が創部100周年を迎える2026年まで、あと7年です。男子も女子もともに笑顔で100周年を祝えるよう頑張りましょう。
以上